2025年も引き続き、住宅の省エネ化を推進するための大型補助金キャンペーンが実施されます。この記事では、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して行う4つの主要事業、「子育てグリーン住宅支援事業」「先進的窓リノベ2025事業」「給湯省エネ2025事業」「賃貸集合給湯省エネ2025事業」を徹底解説します。
それぞれの事業の概要、補助金額、対象となる工事や機器、申請方法などを詳しく解説し、皆様が最適な補助金を活用できるようサポートします。ぜひこの記事を参考に、住まいの省エネ化を検討してみてください。
2025年住宅省エネキャンペーンとは?
2025年の住宅省エネキャンペーンは、家庭部門のCO2削減と、増加する光熱費負担の軽減を目的とした総合的な支援制度です。窓やドアの断熱改修から、省エネ性能の高い給湯器への交換まで、幅広い工事が補助金の対象となっています。
キャンペーンの目的と背景
2025年住宅省エネキャンペーンは、2050年までに日本全体のCO2排出量をゼロにするという目標(カーボンニュートラル)に向けて、家庭で使うエネルギーを減らすことを強く後押しするために行われます。地球温暖化を防ぐために、家の断熱性能を高めたり、高効率の給湯器を使ったりすることを支援することで、CO2の排出量を減らそうとしています。
断熱性能の向上や省エネ設備の採用は、CO2排出量の削減効果だけでなく、各家庭のより快適な暮らしを実現するとともに、光熱費の削減にもつながります。また、再生可能エネルギーの利用を促進する太陽光発電システムや蓄電池の採用は、災害時の自立したエネルギー確保にもつながるため、より安心な家の実現につながります。
4つの事業の概要
2025年住宅省エネキャンペーンは、以下の4つの事業で構成されています。
- 先進的窓リノベ2025事業
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 給湯省エネ2025事業
- 賃貸集合給湯省エネ2025事業
これらの事業は、それぞれ対象となる工事や、もらえる補助金の額などが違います。次の項目から、それぞれの事業を詳しく見ていきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、「子育て」という名前がついていますが、一定の条件を満たせば、すべてのご家庭が利用できる可能性があります。この事業は、特にエネルギー価格の高騰で影響を受けやすい子育て世帯や若い夫婦を応援し、地球に優しい省エネ住宅の普及を促進することを目的としています。
事業の概要:省エネな家づくりを国がサポート
子育てグリーン住宅支援事業は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、新築住宅の省エネ性能を高めるとともに、既存住宅の省エネ改修を支援する事業です。具体的には、高い断熱性能を持つ家や、エネルギー効率の良い設備を備えた家を新築する場合、または今住んでいる家をそういった家にリフォームする場合に、国から補助金が出ます。この事業は、2030年度までに新築住宅の省エネ基準がより厳しくなることを見据え、より多くの家庭が省エネ住宅に住めるようにサポートする役割も担っています。
新築住宅の補助金
新築住宅の場合、家の性能や建てる人の状況によって、もらえる補助金の額が変わります。最大で160万円の補助金がもらえます。
対象となる住宅の条件
新築住宅の場合、補助金を受け取ることができるのは、床面積が50m²以上240m²以下である必要があります。また、土砂災害の危険がある場所や、市街化調整区域など、特定の場所にある住宅は対象外となる場合があります。
GX志向型住宅:最高水準の省エネ性能で最大160万円
すべての世帯が対象となるのが「GX志向型住宅」です。これは、非常に高い省エネ性能を持つ住宅で、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率
太陽光発電などで作ったエネルギーも含めると、年間のエネルギー消費量が実質的にゼロ以上になること(100%以上削減)。これは、使うエネルギーよりも作るエネルギーの方が多い、究極の省エネ住宅です。ただし、寒い地域では75%以上、都市部の狭い土地では再生可能エネルギーの導入なしでも認められる場合があります。また、マンションなどの共同住宅では、階数ごとに基準が異なります。 - 断熱性能
断熱等性能等級「6以上」であること。これは、家全体が魔法瓶のように断熱されている状態をイメージしてください。 - 一次エネルギー消費量の削減率
再生可能エネルギー(太陽光発電など)を除いたエネルギー消費量が「35%以上」削減されていること。これは、普通の家よりもずっと少ないエネルギーで暮らせるということです。
長期優良住宅・ZEH水準住宅:子育て世帯などを中心に最大100万円
子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のどちらかが39歳以下)が対象となる住宅として、「長期優良住宅」と「ZEH水準住宅」があります。
- 長期優良住宅:長く安心して住めるように、耐震性や耐久性などが高く評価された住宅です。
- ZEH水準住宅:断熱性やエネルギー効率といった省エネ性能が、国が定める一定の基準を満たしている住宅のことです。
これらの住宅を新築する場合、以前住んでいた家を取り壊して建て替える場合は最大100万円、そうでない場合は最大80万円(長期優良住宅)、最大60万円(ZEH水準住宅)の補助金がもらえます。賃貸住宅の場合は、子育て世帯などに配慮した安全性や防犯性を高めるための基準を満たす必要があります。
既存住宅のリフォーム補助金
今住んでいる家をリフォームする場合も、補助金がもらえます。最大で60万円の補助金がもらえます。
リフォームの種類と補助額:必須工事で最大60万円
リフォームには、「Sタイプ」と「Aタイプ」の2種類があり、行う工事の内容によって補助額が変わります。
- Sタイプ:以下の3つの工事をすべて行う場合、最大60万円の補助金がもらえます。
- Aタイプ:以下の3つの工事のうち、2つを行う場合、最大40万円の補助金がもらえます。
補助対象工事:どんな工事が対象?
補助の対象となる工事は、以下の3つの「必須工事」です。
- 開口部の断熱改修:窓やドアの断熱性能を高める工事。
- 躯体の断熱改修:壁、屋根、床などの断熱性能を高める工事。
- エコ住宅設備の設置:省エネ性能の高い給湯器、節水トイレ、高効率エアコンなどの設備を設置する工事。
これらの「必須工事」を行う場合に限り、「付帯工事」と呼ばれる、子育て対応改修(対面キッチンへの改修など)やバリアフリー改修なども補助の対象となります。
補助金がもらえる期間:いつまでに工事を始めればいい?
補助金がもらえるのは、経済対策が閣議決定された日(2024年11月22日)以降に、新築の場合は基礎工事より後の工程の工事、リフォームの場合はリフォーム工事に着手したものに限ります。

先進的窓リノベ2025事業
住宅の断熱性能を大幅に向上させる「先進的窓リノベ2025事業」は、既存住宅の窓やドアの断熱改修工事に対して、最大200万円の補助金を提供する制度です。工事箇所数に応じて補助額が変動し、より多くの箇所を改修することで、より手厚い支援を受けることができます。
事業の概要:既存住宅の断熱性能向上を目的とした支援
先進的窓リノベ2025事業は、既存住宅の窓やドアの断熱性能を高めることで、冷暖房費の負担軽減やCO2排出削減に貢献することを目的としています。
具体的には、古い窓を断熱性の高い新しい窓に交換したり、今ある窓の内側に新しい窓(内窓)を取り付けたりする工事が対象になります。また、窓のリフォームと一緒に、玄関ドアを断熱性能の高いものに交換する場合も補助の対象になります。例えば、冬に窓から冷たい風が入ってきたり、夏に窓から熱い日差しが入ってきたりするのを防ぐことで、部屋の温度を快適に保つことができます。
補助金額と対象工事:最大200万円の補助で住まいの断熱化を応援
もらえる補助金の額は、窓の種類や大きさ、家の種類(一戸建てかマンションか)、使う製品の性能などによって変わります。補助金の額は決まっていて、工事費の最大半分くらいが補助されるイメージです。一戸あたり5万円から最大200万円まで補助されるので、大きな窓のリフォームでも安心です。
対象となる窓の種類と性能基準
補助対象となる窓は、メーカーが登録を申請し、事務局が一定の性能を満たすことを確認した製品(対象製品)です。具体的には、住宅の種類に応じて定められた熱貫流率(Uw値)の基準を満たす必要があります。熱貫流率とは、窓を通してどれだけの熱が逃げるかを示す数値で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
同じ家で何度も窓のリフォームをする場合、何回でも申請できますが、同じ窓を何度も改修したり、一つの窓に三つ以上の窓を新しく取り付けたりすることは、基本的にはできません。
対象となる玄関ドアと性能基準
窓のリフォームと一緒に、玄関ドアを断熱性能の高いものに交換する場合も、補助の対象になります。ドアも窓と同じように、熱の出入りが多い場所なので、断熱性能の高いドアに交換することで、家全体の断熱性能を高めることができます。ドアの断熱性能も、窓と同じように「熱貫流率(Ud値)」という数値で評価されます。
申請方法と対象期間、注意点:工事着手前に契約を
補助金を受け取るための対象期間は、2024年11月22日以降に対象工事に着手し、2025年12月31日までに工事が完了するものです。補助金の申請期間は、2025年3月下旬から遅くとも2025年12月31日まで(予定)となっています。交付申請締切は、予算上限に応じて後日公表される予定です。
また、マンションなどの集合住宅で、まとめて申請する場合は、5月頃から申請を受け付ける予定です。申請にあたっては、工事を始める前に、業者と工事の契約をしていることが条件となります。工事の前に契約をしていないと、補助金がもらえないので注意が必要です。申請手続きは、原則として窓リノベ事業者(事務局に登録された工事施工者等)が補助対象者に代わって行います。
補助対象となる方:住宅の所有者や居住者などが対象
補助金をもらえるのは、以下の条件をすべて満たす方です。
- 「窓リノベ事業者」という、国に登録された業者と工事の契約をして、窓のリフォーム工事を行うこと。
- リフォームする家の持ち主、またはそこに住んでいる人であること。
ここでいう「家の持ち主など」とは、家を持っていてそこに住んでいる人やその家族、家を持っていて人に貸している人や会社、家を借りている人、マンションなどの管理組合などを指します。中古の家を買ってリフォームして売る会社も対象になりますが、別の業者にリフォーム工事を頼んでいる場合に限ります。
対象となる住宅タイプ:既存住宅が対象
補助の対象になる家は、すでに建っている家です。一戸建てでもマンションでも、どんな種類の家でも大丈夫です。ここでいう「すでに建っている家」とは、リフォーム工事の契約をした時点で、建てられてから1年以上経っている家、または過去に人が住んでいた家(今現在人が住んでいる家も含む)を指します。基本的には、「建てられた日」は、役所などが発行する「検査済証」という書類の日付で判断します。
先進的窓リノベ2025事業については、関連記事「「先進的窓リノベ事業2025」とは?補助金でお得に窓リフォーム!」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

給湯省エネ2025事業
ここからは、給湯省エネ2025事業について、どんな事業なのか、どんな給湯器が対象になるのか、どれくらい補助金がもらえるのか、などを分かりやすく解説します。
お風呂や台所などで使うお湯を沸かす給湯器は、家庭で使うエネルギーの中でも大きな割合を占めているため、高効率な給湯器に交換することで、光熱費を大幅に節約できます。この事業は、そんな省エネ給湯器の導入を国が応援する制度です。
事業の概要:高効率給湯器の導入を支援
給湯省エネ2025事業は、家庭で使われる給湯器を高効率なものに交換することで、エネルギー消費量を減らし、CO2排出量の削減に貢献することを目的としています。具体的には、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)といった、従来の給湯器よりも効率よくお湯を沸かせる機器の導入を支援します。
補助対象となる給湯器
補助の対象となるのは、以下の3種類の高効率給湯器です。
- ヒートポンプ給湯器(エコキュート):空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、電気のみで動作します。
- ハイブリッド給湯器:電気とガスなど、複数のエネルギーを組み合わせて効率よくお湯を沸かす給湯器です。
- 家庭用燃料電池(エネファーム):家庭で電気を作りながら、その際に発生する熱を利用してお湯を沸かすシステムです。
「おひさまエコキュート」と呼ばれる、太陽光発電と連携するタイプのエコキュートも対象となります。
補助金額:最大20万円の補助!
もらえる補助金の額は、導入する給湯器の種類や性能、付加機能などによって異なり、定額で補助されます。補助額は大きく分けて基本額と、特定の要件を満たした場合に加算される額があります。補助上限台数は、一戸建て住宅の場合はいずれか2台まで、共同住宅等の場合はいずれか1台までとなります。
- ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
基本額は6万円/台です。インターネット接続機能や、よりCO2排出量が少ない機種の場合は、最大13万円/台まで補助されます。 - ハイブリッド給湯機
基本額は8万円/台です。インターネット接続機能や、よりCO2排出量が少ない機種の場合は、最大15万円/台まで補助されます。 - 家庭用燃料電池(エネファーム)
基本額は16万円/台です。停電時に稼働を停止しない機能を持つ機種の場合は、20万円/台まで補助されます。
さらに、高効率給湯器の導入と同時に、古い蓄熱暖房機または電気温水器を撤去する場合、追加補助金の対象となります。蓄熱暖房機の撤去で8万円/台(上限2台まで)、電気温水器の撤去で4万円/台(高効率給湯器導入台数まで)が加算されます。
ただし、エコキュートの撤去は加算対象外ですのでご注意ください。また、蓄熱暖房機等の撤去により、電気料金メニューが変更となる可能性がありますので、詳しくは契約している電力会社にお問い合わせください。
具体的な対象機器や補助額については、後日公表される予定です。
主な条件:いつから工事が対象?
補助の対象となるのは、経済対策が閣議決定された日(2024年11月22日)以降に工事に着手したものに限ります。
申請手続き:詳細は後日発表
申請手続きの詳細や必要な書類については、後日事務局のホームページで公表される予定です。前回の事業(給湯省エネ2024事業)と同様の書類(工事前写真など)が必要になる見込みです。また、リースでの導入に関する情報も公開されています。
その他の注意点:他の補助金との併用は?
給湯省エネ2024事業で補助金を受けた給湯器は、この事業では補助対象となりません。また、原則として、この事業の補助対象となる給湯器について、国の他の補助制度との併用はできません。ただし、「子育てグリーン住宅支援事業」や「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」、「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」など、給湯器が重複しなければ併用が可能です。

賃貸集合給湯省エネ2025事業
賃貸集合給湯省エネ2025事業は、アパートやマンションなどの賃貸集合住宅のオーナー様が、古い給湯器を省エネ性能の高いものに交換するのを支援するものです。入居者様の光熱費削減にもつながり、物件の魅力向上にも貢献します。
事業の概要:賃貸物件の給湯設備を省エネ化
賃貸集合給湯省エネ2025事業は、既存の賃貸集合住宅において、オーナー様がエコジョーズやエコフィールといった高効率給湯器に交換する費用の一部を補助する事業です。これにより、集合住宅全体のエネルギー効率を高め、CO2排出量の削減に貢献することを目的としています。
補助金額:最大10万円/台の補助!工事内容で加算も
もらえる補助金の額は、交換する給湯器の種類や、付随する工事の内容によって異なります。補助額は定額で、以下のようになっています。
- 追い焚き機能なしのエコジョーズ/エコフィールへの交換
基本額は5万円/台です。共用廊下を横断して排水のためのレール(ドレンレール)を設置する場合は、8万円/台に増額されます。 - 追い焚き機能ありのエコジョーズ/エコフィールへの交換
基本額は7万円/台です。浴室への排水工事(三方弁、三本管(二重管含む)の設置)を行う場合は、10万円/台に増額されます。
このように、工事の内容によって補助額が変動するため、詳しくは専門業者に相談することをおすすめします。
対象となる給湯器の基本要件
補助の対象となる給湯器は、以下の種類で、それぞれ定められた熱効率などの基準を満たしている必要があります。
- 給湯単能機(エコジョーズ)
お湯を沸かすだけの給湯器で、モード熱効率が90%以上のもの。 - ふろ給湯器(エコジョーズ)
お風呂のお湯を沸かす給湯器で、モード熱効率が90%以上のもの。 - 給湯暖房機(エコジョーズ)
お湯を沸かすだけでなく、暖房機能も備えた給湯器で、給湯部熱効率が95%以上のもの。 - 油焚き温水ボイラー(エコフィール)
灯油を燃料とするボイラーで、連続給湯効率が95%以上のもの。 - 石油給湯機(直圧式)(エコフィール)
灯油を燃料とし、水道の圧力を利用してお湯を供給する給湯器で、モード熱効率が91%以上のもの。 - 石油給湯機(貯湯式)(エコフィール)
灯油を燃料とし、タンクにお湯を貯めて供給する給湯器で、モード熱効率が80%以上のもの。
これらの機器は、メーカーによって事前に登録されたものが補助対象となる予定です。対象機器の詳細は、後日ホームページなどで公開される予定です。
昨年からの主な変更点:1棟あたり1台以上の交換が対象に
昨年の事業からの主な変更点は、既存の賃貸集合住宅1棟あたり1台以上の交換が対象になったことです。これにより、より多くの賃貸物件で省エネ化が進むことが期待されます。また、工事内容によっては昨年の補助額を超える補助となる場合もあります。
主な条件:いつから工事が対象?
補助の対象となるのは、従来の給湯器から補助対象のエコジョーズなどに交換する場合です。また、経済対策が閣議決定された日(2024年11月22日)以降に工事に着手したものが対象となります。対象となる製品の型番などは、後日公表される予定です。申請に必要な書類は、前回の事業と同様になる見込みで、工事前の写真などが含まれる可能性があります。

4つの事業の併用について:複数の補助金を賢く活用しよう
ここからは、これまで説明してきた4つの事業を組み合わせて利用する場合について、どんな組み合わせが可能か、また、どんな点に注意が必要かを解説します。複数の事業を上手に活用することで、よりお得に住宅の省エネ化を進めることができます。
併用可能な組み合わせ:どんな組み合わせでお得になる?
原則として、同じ設備に対して複数の補助金を受けることはできません。例えば、窓のリフォームで「先進的窓リノベ2025事業」の補助金を受けた場合、同じ窓に対して「子育てグリーン住宅支援事業」のリフォーム補助金を重ねて受け取ることはできません。これは、補助対象が重複するためです。
重要な点として、新築住宅において「子育てグリーン住宅支援事業」を利用する場合、「給湯省エネ2025事業」の補助金は併用できません。「子育てグリーン住宅支援事業」は、住宅全体(給湯器を含む)の省エネ性能に対して補助を行う事業であるため、給湯器単体に対する「給湯省エネ2025事業」の補助金との重複が発生するためです。
しかし、対象となる設備や工事が異なれば、複数の事業を併用することが可能です。具体的な例を見ていきましょう。
リフォームの場合
既存住宅で窓の断熱改修を行う場合、「先進的窓リノベ2025事業」の補助金を受けることができます。同時に、給湯器を高効率なものに交換する場合、「給湯省エネ2025事業」の補助金も併用して受けることができます。これは、窓と給湯器という、異なる設備が対象となっているため、併用が認められるからです。
子育て世帯であれば、上記の窓と給湯器の改修に加えて、子育て対応改修(例えば、対面キッチンへの改修など)と合わせて「子育てグリーン住宅支援事業」のリフォーム補助金も受けられる可能性があります。これは、窓、給湯器、子育て対応改修と、それぞれ異なる工事が対象となっているため、併用が認められるケースです。
賃貸集合住宅の場合
賃貸集合住宅のオーナー様が給湯器を交換する場合、「賃貸集合給湯省エネ2025事業」の補助金を受けることができます。同時に、窓の断熱改修を行う場合、「先進的窓リノベ2025事業」の補助金を受けることができる場合があります。ただし、この場合は、各住戸のオーナー様が個別に申請する必要があるか、オーナー様がまとめて申請できるかなど、詳細な条件を確認する必要があります。
このように、対象となる設備や工事が異なれば、複数の事業を併用することで、より多くの補助金を受け取ることが可能になります。
注意点:併用する際の確認事項
複数の事業を併用する際には、以下の点に注意が必要です。
- 補助対象の重複
同じ設備や工事に対して、複数の補助金を受けることはできません。必ず、それぞれの事業の対象範囲を確認しましょう。 - 申請期間と手続き
各事業には、それぞれ申請期間や手続きが定められています。複数の事業を併用する場合は、それぞれの事業の申請期間と手続きを確認し、適切に対応する必要があります。 - 地方自治体の補助金との関係
国の補助金だけでなく、地方自治体(都道府県や市区町村)でも住宅の省エネ化に関する補助金制度を実施している場合があります。これらの地方自治体の補助金と国の補助金を併用できる場合もありますが、条件や手続きが異なるため、事前に確認することをおすすめします。地方自治体の補助金は、国からの補助金と異なり、国費が充当されていないものであれば、併用可能な場合が多いです。 - ワンストップ対応について
一部の事業では、ワンストップ対応が予定されており、複数の事業をまとめて申請できる場合があります。この場合、手続きが簡略化されるメリットがありますので、詳細が発表され次第、確認することをおすすめします。
複数の事業を併用することで、より大きなメリットを得られる可能性がありますが、それぞれの事業の要件や手続きをしっかりと理解しておくことが大切です。ご不明な点があれば、各事業の事務局や専門家に問い合わせることをおすすめします。

まとめ:2025年の住宅省エネキャンペーンを賢く活用しよう
この記事では、2025年に実施される住宅省エネキャンペーンの主要な4つの事業、「先進的窓リノベ2025事業」「子育てグリーン住宅支援事業」「給湯省エネ2025事業」「賃貸集合給湯省エネ2025事業」について、それぞれの概要、補助金額、対象となる工事や設備、そして複数の事業を賢く併用するためのポイントまで、詳しく解説してきました。
光熱費の高騰が続く今、住宅の省エネ化は家計の負担を軽減するだけでなく、地球環境への貢献にもつながる重要な取り組みです。今回のキャンペーンは、そんな皆様の省エネへの取り組みを力強く後押ししてくれる、まさに絶好のチャンスと言えるでしょう。
この記事を読んで、ご自身に最適な補助金制度を見つけることができたでしょうか?どの事業を活用すれば良いか迷っている方、もっと詳しく知りたいという方は、各事業の事務局ホームページや、お近くの専門業者にぜひご相談ください。専門家のアドバイスを受けることで、よりスムーズに、そして確実に補助金を受け取ることができるはずです。
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