「新築のマイホームを建てるなら、やっぱりガレージが欲しい!」
そう思っていても、いざ間取りを考える段階になると、ガレージの大きさに迷ってしまう方も多いはず。
特に注文住宅を建てる際、ガレージの大きさを決めるのは簡単ではありません。
現在の車のサイズや家族構成を考慮するのはもちろん、将来的なライフスタイルの変化も予測する必要があります。
「狭すぎるガレージにして後悔したくない」「でも大きすぎると家のスペースが無駄になるかも」
という不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ガレージの大きさを決めるポイントや、ケース別の駐車場スペースの必要サイズをわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたの家づくりにピッタリなガレージサイズが見つかるはずです。
ガレージの大きさを決める前に知っておきたい基本の寸法とは?
ガレージの設計を考えるとき、まずはどのくらいの広さが必要かをしっかり理解しておくことが大切です。家を建てる際、ガレージが小さすぎて車を入れるのが難しくなったり、大きすぎて無駄なスペースを使ってしまったりしないよう、基本的な寸法の目安を押さえておきましょう。ここでは、初心者の方にも分かりやすく、ガレージの大きさを決める前に知っておきたい基本的な寸法を解説します。
ガレージの大きさに法律の規定はある?
ガレージの大きさを決める上で、多くの方が気になるのが「法律で決められたサイズがあるのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、ガレージの大きさに具体的な法的な規定はありません。
ただし、建築基準法などの法律で、建物の建築に関する様々な基準が定められており、ガレージもその対象となる場合があります。
例えば、ガレージが建物の一部である場合は、建ぺい率や容積率などの制限を受けることがあります。
また、都市計画法など、地域によって様々な条例が定められており、ガレージの建築に制限がある場合もあります。
駐車スペースに最低限必要な車室の広さ
ガレージで最も重要なのは、車をスムーズに駐車できるスペースです。
標準的な車1台分の駐車スペースは、最低限「幅2.5m×長さ5m」程度が必要だとされています。
このサイズであれば、普通乗用車は十分に駐車できますが、車種やタイプによってはもっと広いスペースが必要になることも。
例えば、ミニバンやSUVなどの大きな車を持っている場合は、もう少し余裕を持った広さを考慮しましょう。
駐車するのに必要な広さ
車を単純に置くだけでなく、実際に車を出し入れする際には「車を回転させるスペース」も必要です。狭いガレージだと、駐車時に何度も切り返しをしなければならず、とても不便です。
一般的に、車の周りには最低でも「左右に50cm以上、前後に1m以上」の余裕を持たせるとスムーズに駐車できると言われています。
快適に車を出し入れできるよう、必要なスペースをしっかり確保しましょう。
天井に必要な高さ
ガレージの天井の高さも重要な要素です。
標準的なガレージの天井の高さは「2.1m〜2.5m」が目安とされていますが、SUVやミニバンのような背の高い車を停める場合は、少なくとも「2.4m以上」の高さが必要です。
また、将来的にキャリアを取り付けたい場合や、趣味の道具を天井に収納したい場合には、さらに高い天井を考慮しても良いでしょう。
天井が低いと、車の乗り降りにも支障が出るため、注意が必要です。
ガレージがある家のメリット
ガレージを持つ家は、車の保管に便利なだけではなく、生活の質を向上させる多くのメリットがあります。ここでは、ガレージがあることで得られる利点を紹介します。
メリット①:車を安全に保管できる
ガレージがあることで、車を屋外に置く必要がなくなり、風雨や直射日光から車を守ることができます。
これにより、車の塗装が劣化するリスクを減らし、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。また、車の盗難やいたずらからも保護できるため、セキュリティ面でも安心です。
メリット②:荷物の出し入れが楽になる
ガレージから直接家の中にアクセスできる場合、特に雨の日や雪の日でも濡れずに車に荷物を積んだり、車から荷物を運んだりすることができます。
これにより、日々の生活が快適になります。また、家族が多い場合や買い物の際にも、荷物の出し入れがスムーズに行えます。
メリット③:追加の収納スペースが確保できる
ガレージは車を保管するだけでなく、収納スペースとしても活用できます。
自転車やアウトドア用品、工具など、普段使わない物をガレージに保管することで、家の中をスッキリと保つことができます。また、趣味の道具やDIY作業に必要なスペースを確保することも可能です。
メリット④:不動産価値が上がる
ガレージがある家は、不動産としての価値が高く評価されることが多いです。
特に車を持っている家庭にとっては、ガレージ付きの家は魅力的な物件となり、将来家を売却する際にも、購入希望者からの関心が高まります。
さらに、ビルトインガレージなど一体化したデザインの家は、デザイン性も評価されます。
メリット⑤:天候に左右されない生活ができる
ガレージがあると、車を使う際に天候に左右されにくくなります。
たとえば、冬の寒い日に霜が降りたり雪が積もったりしても、ガレージ内に停めておけば車のメンテナンスが不要です。また、夏の暑い日でも、車内が熱くなりすぎる心配がありません。
ガレージを作る際の注意点
ガレージを作るときには、見た目やサイズだけでなく、将来的な使い勝手や安全面なども考慮することが大切です。ここでは、ガレージ設計時に押さえておくべきポイントを解説します。
注意点①:将来のことも考えて、車の買い替えを想定したサイズと仕様にしよう
車を買い替える際、現在の車よりも大きな車を購入する可能性がある場合は、ガレージのサイズを余裕を持って設計しておくことが大切です。
特に、家族が増えると大型のミニバンやSUVを選ぶケースが多くなります。
そのため、現時点で必要なスペースだけでなく、将来的に大きな車を駐車することを見越して、少し広めに設計するのがおすすめです。
注意点②:前面道路の幅と車の旋回は大丈夫?
ガレージに面する道路が狭い場合、車の出入りがしにくくなる可能性があります。
特に、バックで駐車する際には道路の幅が十分でないと切り返しが多くなり、駐車が困難になります。
一般的には、車を安全かつスムーズに駐車するためには、前面道路の幅が4メートル以上あると理想です。
もし、道路幅が狭い場合は、ガレージの間口を広くして駐車しやすくする工夫をすると良いでしょう。
注意点③:居住スペースとのバランス
ガレージを設計する際は、居住スペースとのバランスも考慮する必要があります。ガレージが大きすぎると、居住スペースが狭くなってしまう可能性があります。
そのため、家族のライフスタイルや住宅全体のレイアウトを考えながら、ガレージの位置やサイズを決めることが大切です。
また、ガレージと家の内部が直接つながっている場合、収納スペースとしても活用できるため、利便性が高まります。
注意点④:騒音と排気ガスの対策
ガレージは車の出入りによる騒音や排気ガスが発生する場所でもあるため、これらの対策をしっかりと行うことが必要です。
特に、ビルトインガレージの場合、家の中に排気ガスや騒音が入り込まないように、換気システムを設置することが重要です。
十分な換気口を設けたり、車の排気口を外に向ける設計にすることで、室内への影響を最小限に抑えることができます。
注意点⑤:並列駐車のビルトインガレージをつくるなら耐震性に気を付ける
ビルトインガレージで並列駐車を想定している場合、耐震性にも注意が必要です。
ガレージ部分は柱が少なくなりがちで、構造上の弱点となることがあるため、耐震設計をしっかりと行うことが重要です。
特に、地震が多い地域では、専門家に相談して耐震補強を施したガレージ設計を取り入れると安心です。
失敗しないために押さえておきたいガレージ寸法の決め方
ガレージの寸法を決めるときには、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。
ガレージは一度作ると簡単に変更できないため、失敗しないためにも車のサイズや周囲のスペースをしっかり確認しておきましょう。
ここでは、初心者でも分かりやすく、ガレージの寸法を決める際に押さえておきたいポイントを解説します。
車のサイズを調べる
まず最初にするべきことは、駐車する予定の車のサイズを調べることです。
車のサイズには「全長(長さ)」「全幅(幅)」「全高(高さ)」の3つの要素があります。
これらの数値を把握しておくことで、ガレージに必要なスペースを正確に計算することができます。
車のカタログやメーカーのウェブサイトで確認できるので、必ず自分の車のサイズを調べておきましょう。
特に、SUVやミニバンのように大きな車をお持ちの方は、標準的なガレージよりも少し広めに設計することが必要です。
ガレージに面する道路幅
次に考慮すべきは、ガレージに面している道路の幅です。
ガレージの前の道路幅が狭いと、車を出し入れする際に非常に苦労します。
一般的に、道路幅が「4m以上」であればスムーズに駐車できますが、それより狭い場合は、車を入れるのに何度も切り返しをする必要があるかもしれません。
また、道路が狭い場合はガレージの間口を広めに設定することで、駐車がしやすくなります。ガレージの設計時には、道路幅も合わせて考慮することが重要です。
間口を考える
ガレージの間口は、車を出し入れする際に大きな影響を与えるポイントです。
標準的な間口の幅は「2.5m〜3m」が一般的ですが、大きな車や2台駐車するガレージの場合は「3.5m〜4m」を目安にすると良いでしょう。
また、ガレージの間口が狭いと、駐車時にミラーをたたむ必要があったり、出入りがストレスになることも。
スムーズに車を出し入れするためには、少し余裕を持った間口を設計することが失敗を防ぐカギです。
車の周りにどれだけの広さが必要か
車をガレージに停めた後に、快適に車の乗り降りをするためには、車の周りにも十分なスペースが必要です。
車の両サイドには「50cm以上」、車の前後には「1m以上」の余裕を確保するのが理想的です。
特に、両側のドアを開けて乗り降りする際には、スペースが狭いと車のドアをぶつけてしまう可能性もあります。
ゆったりとしたスペースを確保することで、ガレージの使い勝手が大きく向上します。
ガレージ設計時に考慮するべき、ケース別のスペース必要サイズ
ガレージを設計する際、どんな使い方をするかによって必要なスペースは大きく変わってきます。
車を1台停めるだけなら標準的な寸法で問題ない場合が多いですが、複数の車を停めたり、特別な設計を考えている場合には、それぞれに合わせたスペースを確保する必要があります。
ここでは、ケース別に必要なガレージのスペースについて解説します。
2台駐車できるガレージの場合
2台分のガレージを作る場合、1台用のガレージよりもスペースを多く取る必要があります。
標準的な1台分の駐車スペースが「幅2.5m×長さ5m」であれば、2台分は「幅5m×長さ5m」程度が必要です。
しかし、2台を並べて駐車する際、車のドアを開けるためのスペースや、車の間の余裕も確保しなければなりません。
理想的には、車と車の間に「50cm以上」、左右にも「50cm以上」の余裕を持たせることで、快適に車の乗り降りができるようになります。
また、前後のスペースにもゆとりを持たせることで、駐車が楽になるだけでなく、後悔することなくガレージを利用できるでしょう。
ビルトインガレージの場合
ビルトインガレージとは、家の一部に組み込まれているガレージのことを指します。
ビルトインガレージを設計する際は、通常のガレージよりも慎重にスペースを確保する必要があります。
家の構造や間取りに大きく影響するため、スペースに限りがある場合は特に注意が必要です。
ビルトインガレージの標準的なサイズは「幅2.5m×長さ5m」ですが、ここに居住スペースや収納スペースも取り込む場合、さらに広い設計が必要です。
特にビルトインガレージでは、車の出入り時に周囲の壁や柱にぶつけないよう、しっかりとしたスペースの確保が大切です。
車の動線を考慮した上で、少し余裕を持たせた設計にすることで、長期的に快適なガレージライフを実現できます。
車イスを使用する際に必要な広さ
車イスを利用されている方がガレージを使う場合、通常よりも広めのスペースが必要です。
車の乗り降りをする際には、車イスを使うためのスペースを確保する必要があるため、車の横に少なくとも「1.2m以上」の余裕が必要だとされています。
また、車イスをスムーズに出し入れするためには、車の後ろにも「1.5m以上」のスペースを確保しておくと安心です。
このような広さを確保することで、車イスを使う際の動作がスムーズになり、日常の駐車や移動もストレスなく行えるようになります。
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ガレージの大きさは、家づくりにおいて非常に重要な要素です。
車のサイズや駐車スペースの余裕、家族のライフスタイルに合わせた寸法を慎重に検討することで、使い勝手の良いガレージが実現します。
この記事で紹介したポイントを押さえれば、後悔のないガレージ設計ができるはずです。
家を建てる際、決定すべきことはたくさんありますが、ガレージのサイズをしっかり考えることは、快適な暮らしの第一歩です。
これを機に、家全体の設計や他の設備にも目を向けて、理想の住まいを具体的に描いてみてはいかがでしょうか?
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