一生に一度のマイホーム購入。憧れの注文住宅で、自分だけの空間を作りたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、注文住宅は自由度の高い分、費用も気になるポイントですよね。

「注文住宅って実際どれくらいお金がかかるの?」
「土地代や建物代以外にも、どんな費用がかかるんだろう?」

そんな疑問を抱えているあなたのために、今回は注文住宅でかかる費用の内訳から予算計画、費用を抑えるポイントまで、詳しく解説していきます。

家づくりは一生に一度の大きな買い物です。後悔のない選択をするために、注文住宅の費用についてしっかりと理解しておきましょう。

注文住宅の費用内訳

注文住宅を建てるには、まず土地を購入し、その後家を建築するという2つの大きなステップがあります。
それぞれにかかる費用について、内訳を詳しく解説します。

土地購入時の支払い項目

土地を購入する際には、以下の項目の費用がかかります。

  1. 残代金
    • 土地代金から手付金を差し引いた金額です。
  2. 購入諸費用
    • 印紙税、仲介手数料、土地の測量費、固定資産税の残額、登記費用など、土地購入手続きに必要な諸費用です。また、土地によっては水道負担金、その他費用が必要になる場合があります。一般的には、土地代金と家の建築費の合計額の6~10%程度が目安となります。

建築会社によっては、資金計画やスケジュール相談を含めたサポートを提供している場合があります。土地選びの前に建築会社に相談してみるのもおすすめです。

本体工事費

注文住宅を建てる際、土地代金を除いた費用の中で最も大きな割合を占めるのが「本体工事費」です。
全体の約70%以上を占めると言われ、家づくりの費用の中でも特に重要な項目となります。

本体工事費とは、建物の構造や設備などを含めた、建物そのものを建てるために必要な費用です。
本体工事費は、坪単価(1坪あたりの費用)で算出されます。

  1. 坪単価
    • 坪単価は、使用する建材や設備、施工会社によって異なりますが、一般的には70万円~100万円程度です。
  2. 建物の大きさ
    • 建物の大きさが大きければ大きいほど、当然ながら本体工事費も高くなります。
  3. 間取り
    • 複雑な間取りの場合、必要な材料や工数が増えるため、本体工事費が高くなります。
  4. 設備
    • 高価な設備を使用する場合は、本体工事費が高くなります。

建物本体工事費には、家づくりを支える様々な工程の費用が含まれています。

  1. 仮設工事費
    • 建築現場に必要な足場や仮設電気、水道、トイレなどの設置費用です。
  2. 基礎工事費
    • 家全体の重量を支える土台となる基礎を作るための費用です。ベタ基礎と布基礎の2種類があり、使用する鉄筋やコンクリート量によって費用が異なります。
  3. 木工事費
    • 柱や梁、屋根などの構造部分や、床、壁などの造作を作るための費用で、木材の種類や加工方法によって費用が大きく変わります。
  4. 内外装工事費
    • 外壁、屋根、内装などの仕上げを行うための費用で、使用する材料やデザインによって費用が異なります。
  5. 設備工事費
    • キッチン、浴室、トイレ、エアコンなどの設備を設置するための費用です。設備の種類やグレードによって費用が大きく変わります。
  6. 設計料
    • 設計図を作成し、家全体の設計を行うための費用です。家の規模や内容によって費用が異なります。

付帯工事費

注文住宅を建てる際、土地代金と建物本体工事費以外にも、様々な費用が必要になります。
その中でも、建物の外側や設備に関する工事に必要な費用が「付帯工事費」です。

付帯工事費には、具体的にどのような費用が含まれるのでしょうか?

  1. 外構工事費
    • 駐車場、庭、門、塀などの外装工事に必要な費用です。庭の広さやデザインによって費用が大きく変わります。
  2. 設備工事費
    • 水道管やガス管を敷地内に引き込む工事、照明やエアコン、カーテンなどの購入・取り付け工事などに必要な費用です。
  3. その他
    • 古い家の解体費用、地盤調査費、地盤改良工事費など、状況によって必要な費用が含まれます。

各費用の詳細とポイント

1. 外構工事費

  • 駐車場や庭、アプローチなどの舗装
  • フェンスや門扉の設置
  • 植栽や造園
  • 照明設備の設置

外構工事は、建物の印象を大きく左右する重要な要素です。
予算と相談しながら、理想の空間をデザインしましょう。
造園業者やエクステリア業者を選ぶ際には、実績や見積もり内容を比較検討することが重要です。

2. 設備工事費

  • 水道管・ガス管工事
  • 照明・電気工事
  • エアコン工事
  • カーテン工事

3. その他

  1. 古い家の解体費用
    • 建て替えの場合、古い家を解体する必要があります。解体費用は、家の大きさや構造によって大きく変わります。
  2. 地盤調査費
    • 地盤が弱い場合は、地盤調査を行い、適切な地盤改良工事方法を判断する必要があります。
  3. 地盤改良工事費
    • 調査の内容をもとに地盤改良工事を行い、建物の基礎を安定させる必要があります。

諸費用

注文住宅を建てる際には、土地代金、建物本体工事費に加えて、様々な費用が必要になります。
その中でも、意外と見落としがちなのが「諸費用」です。

諸費用とは、建築工事以外にかかる費用の一切を指します。具体的には、以下の項目が含まれます。

1. ハウスメーカーや工務店との契約にかかる費用

  1. 印紙代
    • 工事請負契約書や住宅ローンの契約書などに貼付する印紙代です。

2. 不動産取得・住宅ローンにかかる税金

  1. 登録免許税
    • 土地の所有権移転登記や建物の表示登記、住宅ローンの抵当権設定登記などを行う際に支払う税金です。
  2. 不動産取得税
    • 土地を購入した際に支払う税金です。土地の取得価額の4%が課税されます。
  3. 固定資産税・都市計画税
    • 土地や建物を所有している際に毎年課税される税金です。
  4. 消費税
    • 建物本体工事費は消費税が課税されます。

3. ローンに関する費用

  1. 融資事務手数料
    • 住宅ローンを借り入れる際に支払う手数料です。(金額は各金融機関によって異なります。)
  2. 保証料
    • 住宅ローンの保証会社を利用する場合に支払う手数料です。(金額は各金融機関によって異なります。)
  3. 火災保険料
    • 住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が義務付けられています。

4. 地鎮祭

地鎮祭は、新築工事の際に執り行われる伝統的な儀式です。

    事前にしっかりと見積もりを取り、予算に組み込んでおきましょう。

    注文住宅で後悔しないための予算計画

    注文住宅を建てるためには、予算計画が非常に重要です。

    せっかくの夢の家づくりが、予算オーバーで後悔してしまうことのないよう、以下の5つのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

    1. 家を建てるエリア

    土地価格はエリアによって大きく異なります。家づくり全体の予算を考える上で重要なポイントです。
    駅前や商業施設近くなどの人気エリアは、土地価格が高く、建築費用も高くなります。
    理想のライフスタイルや通勤通学などの条件と、予算のバランスをしっかりと取ることが大切です。

    2. 年齢、収入、住宅ローンのバランス

    無理のない返済額を設定するために、現在の年齢や収入から借りられる住宅ローンの額を把握しましょう。
    理想だけ詰め込んだプランは、審査に通らず、せっかくの計画が無駄になってしまう可能性があります。
    家づくりを始める前に、仮審査やシミュレーションで、借入可能な金額を把握しておきましょう。

    3. 部屋数と床面積

    家族構成やライフスタイルに合わせた必要な部屋数と広さを決めましょう。
    30坪と40坪の注文住宅では、費用が1,000万円近く変わることもあります。
    現在のライフスタイルだけでなく、将来の家族構成の変化も考慮して計画を立てましょう。

    4. 必要な土地の広さ

    建物の大方の希望を踏まえ、必要な土地の広さを計算しましょう。
    建蔽率や容積率などの法規制も考慮する必要があります。
    駐車場や庭などのスペースも考慮し、理想のライフスタイルに合った土地を選びましょう。

    5. 余裕を持った予算計画

    予想外の費用が発生する可能性も考慮し、余裕を持った予算計画を立てましょう。
    外構工事や家具・家電などの諸費用も忘れずに予算に組み込む必要があります。
    将来的に修繕費用がかかることも考慮し、長期的な視点で計画を立てましょう。

    これらのポイントを参考に、後悔のない家づくりを実現するための予算計画を立てましょう。

    注文住宅の費用を抑えるポイント

    注文住宅を建てる際、予算は誰にとっても大きな課題です。
    理想の家を実現するためには、費用を抑えつつも希望を叶えることが重要です。

    そこで今回は、注文住宅の費用を抑えるための7つのポイントをご紹介します。

    1. 土地の選び方を工夫する

    土地は注文住宅全体の費用の中でも大きな割合を占めます。そこで、以下の点に注意して土地を選びましょう。

    • 駅から少し離れた場所や、変形土地は、価格が比較的安くなります。
    • 変形地は、設計に工夫が必要になりますが、うまく活用すれば個性的な住空間を作ることができます。
    • 建築会社選びと土地探しを並行して進めることで、土地と建物の予算配分を調整しやすくなります。

    2. 建物をコンパクトにする

    建物の大きさは、建築費に大きく影響します。
    必要な広さに絞り、無駄なスペースを減らすことで、金額を抑えることができます。
    廊下や収納スペースを工夫することで、限られたスペースを有効活用しましょう。

    3. 外観はシンプルに

    複雑な形状の家は、外壁面積が多くなり、建材費や人件費が高くなります。
    2階建ての場合は、総2階(1階と2階がほぼ同じつくりの住宅のこと)にすることで、基礎や柱、屋根材などの費用を抑えられます。

    外観よりも間取りを重視する場合は、シンプルなデザインがおすすめです。
    屋根も、片流れなどシンプルな形状を選ぶとコストカットできます。

    4. 間取りを抑えて壁を減らす

    間仕切りの壁は建材費や施工費がかかります。
    間取りを減らし、壁を少なくすることで、費用を抑えられます。

    広い室内空間になり、風通しも良くなるというメリットもあります。
    収納スペースは、ウォークインクローゼットを1カ所に設けたり、収納家具を活用したりすることで、費用を抑えられます。

    5. 水回りは1カ所に集中

    1階と2階に水回りを分散させると、配管設備が複雑になり、費用が高くなります。
    キッチン、洗面所、浴室、トイレをできるだけ1カ所に集中することで、配管工事を減らし、コストを削減できます。

    6. 後から変えられる部分は安価に

    壁紙やキッチン、浴室など、後から交換しやすい部分は、安価なものを選びましょう。
    壁紙は5~10年、キッチンや浴室は10~15年程度で交換するのが一般的です。

    特別なこだわりがなければ、コストを抑えられる部分です。
    一方、断熱材や基礎などの性能に関わる部分は、しっかりと予算を確保しましょう。

    7. 税金控除や補助金制度を活用する

    注文住宅には、税金控除や補助金制度など、様々な支援制度があります。

    • 所得税や住民税の軽減を受けられる制度
    • 省エネルギー住宅や耐震住宅など、性能の高い住宅に対して支給される補助金
    • 自治体によっては、独自の支援制度を設けている場合がある

    これらの制度を上手に活用することで、費用負担を軽減することができます。

    注文住宅を建てる際には、これらのポイントを参考に、費用と希望のバランスをうまく取りながら、理想の住まいを実現しましょう。
    なお、具体的な費用や制度内容は、地域によって異なる場合があります。詳細は、専門家にご相談ください。

    まとめ

    後悔のない家づくりを実現するためには、予算計画が非常に重要です。
    年齢・収入・住宅ローンのバランス、家を建てるエリア、部屋数と床面積、必要な土地の広さ、余裕を持った予算計画の5つのポイントを押さえて、自分に合った予算計画を立てましょう。

    注文住宅は、一生に一度の大きな買い物です。慎重に計画を立て、理想の住まいを叶えましょう。

    この記事では、注文住宅の費用内訳、全国平均、予算計画のポイント、コストダウン術について解説しました。
    注文住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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