新居やリフォームでドア選びに悩むこと、ありませんか?
見た目や機能はもちろん、設置場所や生活スタイルによっても最適なドアは異なります。

そこで今回は、多くの人が悩む「引き戸」と「開き戸」の違いを徹底解説します。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、あなたに合ったドアを選びましょう。

引き戸と開き戸の違い

引き戸と開き戸は、ドアの開閉方法が根本的に異なります。
どういった違いがあるのかそれぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

開き戸とは?

開き戸は、蝶番(ちょうつがい)を軸にしてドア自体が回転するように開閉するドアです。
一般的に住宅や店舗などで広く使用されており、様々な種類やメリット・デメリットがあります。

開き戸の種類

開き戸は、開き方や構造によって以下のような種類に分類されます。

片開き戸

片開き戸:最も一般的な開き戸で、ドアが片側にのみ開閉します。

両開き戸

両開き戸:ドアが左右に開閉するタイプです。広い開口部が必要となる場合に使用されます。

開き戸のメリット

開き戸には、以下のようなメリットがあります。

メリット①:気密性と防音性の高さで、快適な空間を実現

開き戸は引き戸と比べて隙間が少ないため、気密性と防音性に優れています。
冷暖房効率が上がり、電気代節約にもつながります。

メリット②:省スペース設計で、狭い場所にも設置可能

開き戸はドア幅プラスアルファのスペースがあれば設置できるので、限られた空間にも柔軟に対応できます。
壁面の幅が狭い場所でも、圧迫感なく設置したい場合は、開き戸がおすすめです。

メリット③:壁面を有効活用!スイッチ設置もスムーズ

引き戸とは異なり、開き戸には引き込み部分がないため、壁面にコンセントやスイッチを直接設置することができます。
限られた壁面のスペースを有効活用したい場合や、コンセントやスイッチへのアクセス性を重視したい場合は、開き戸がおすすめです。

メリット④:コストパフォーマンスに優れ、経済的な選択に

一般的に、開き戸は引き戸と比べて価格が安い傾向があります。
建具費用を抑えたい場合や、コストパフォーマンスを重視する場合は、開き戸を検討してみるのも良いでしょう。

開き戸のデメリット

開き戸には、以下の様なデメリットがあります。

デメリット①:開閉スペース確保が必要

開き戸はドアを開閉する際に前後にスペースが必要となるため、家具の配置や動線を考慮した設計が必須です。
ドア付近に物を置いたり、人が頻繁に行き来する場所には、設置場所を慎重に検討する必要があります。
スペース確保に課題がある場合は、引き戸も選択肢の一つとして検討しましょう。

デメリット②:状況によってはドアストッパーが必要

開き戸は、基本的には一定の角度で長時間開いたままにすることはできません。
荷物搬入や換気など、ドアを長時間開けっ放しにしたい場合は、ドアストッパーが必要となります。
ドアを開きっぱなしにすることが多い場所には、状況に応じてドアストッパーを活用することをおすすめします。

デメリット③:取っ手の出っ張りに注意

意外と見落としがちなのが、開き戸には取っ手部分の出っ張りがあることです。
ドアを開ける際にスペースがなければ、取っ手が壁や家具にぶつかってドアが開ききらないなど、思わぬ不便が生じる可能性があります。
設置場所や動線との干渉を事前に確認し、必要に応じて取っ手の種類や位置を調整することをおすすめします。

引き戸とは?

引き戸は、スライドさせて開閉するドアのことです。
溝は床にあるものが多いですが、戸を上から吊るす上吊り式のタイプのものもあります。
近年、省スペースやバリアフリーの観点から、住宅や店舗で引き戸が広く採用されています。

引き戸の種類

引き戸は、開閉方法や構造によって以下のような種類に分類されます。

片引き戸:シンプルで機能的な定番

片引き戸

1枚または複数枚の戸が壁に沿ってスライドする最も一般的なタイプ。
リフォームやDIYにも適しており、開口部に後付けや開き戸の交換も可能。
上吊り式レールを用いたアウトセット引戸は、比較的容易な施工で設置できる。

引き違い戸:利便性と収納力を兼ね備えた万能タイプ

引き違い戸

2枚の戸が左右に動くため、利き手に関係なく楽に開閉できる。
押入れなどの収納スペースや、大きな開口部にも最適。
3枚以上の戸で構成されるタイプもあり、用途に合わせて柔軟に選択可能。

引き分け戸:開放感と空間美を演出するタイプ

引き分け戸

中央から2枚の戸を左右にスライドさせて開閉し、開放感のある空間を実現。
間仕切りとしてよく用いられ、広々とした空間を演出する。
片引き戸よりもスペースが必要となる。

引き込み戸:省スペースでスッキリとした空間作り

引き込み戸

壁の中に戸袋を設け、戸を収納するタイプ。
室内をスッキリと見せられ、片引き戸では設置できない場所に家具を配置できる。
戸袋部分の掃除がやや難点。

引き戸のメリット

引き戸には、以下の様なメリットがあります。

メリット①:力に頼らない、スムーズで軽快な開閉

ドアノブを回す必要がなく、軽い力で把手を引くだけで開閉できるため、子供や高齢者、車椅子利用者の方でも楽に操作できます。
バリアフリー対策としても有効で、介護や育児など、手が塞がりやすい状況でも安心です。

メリット②:空間を最大限に活かす省スペース設計

従来の開き戸とは異なり、引き戸は壁に沿って横方向にスライドさせるため、ドアを開閉する際に必要なスペースが大幅に削減されます。
限られた空間でも有効活用でき、デッドスペースを最小限に抑えることができます。

メリット③:状況に合わせた、自由自在な開閉スタイル

引き戸は、開き具合を自由に調整でき、完全な開閉だけでなく、換気や荷物搬入など、様々なシーンに合わせた中途半端な開け方も可能です。
ストッパーを必要とせず、開けっ放し状態も維持しやすいのも魅力です。

メリット④:ソフトな開閉で安全・静音

近年主流のソフトクローザー機能付きの引き戸は、勢いよく閉めてもゆっくりとしまるため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心です。
また、バタンと閉まる音がなく静音性にも優れているため、夜間の開閉も気兼ねなく行えます。

メリット⑤:風通しの調整が簡単

窓のように、好きな場所で戸を止めることで風の量を調整できるため、換気や温度調節が簡単に行えます。
夏場は風通しを良くし、冬場は暖房効率を高めるなど、季節に合わせた快適な空間づくりに役立ちます。

引き戸のデメリット

引き戸には、以下の様なデメリットがあります。

デメリット①:費用

引き戸は、一般的に開き戸よりも高価な傾向があります。
しかし、アウトセット工法など、設置方法によって費用を抑えることも可能です。

デメリット②:気密性・遮音性

引き戸は、開き戸と比べて隙間が多いため、気密性や遮音性が低くなります。
暖房や冷房の効きが悪くなるだけでなく、音漏れも発生しやすくなります。
WEB会議や楽器演奏など、遮音性を重視する用途には不向きです。

デメリット③:掃除の手間

床にレールを付けた場合は、レールや溝にホコリや汚れが溜まりやすいため、定期的な掃除が必要です。
特に、引き込み式の場合は、戸を収納する部分にも汚れが溜まりがちです。

デメリット④:設置場所の制限

引き戸は、壁に引き込むスペースが必要なため、設置場所が限られます。
トイレなど、引き戸を設置したい場所がある場合は、あらかじめ設計担当に伝えて、間取りを検討する必要があります。

デメリット⑤:コンセント・スイッチ配置の制限

引き戸は、スライドする幅分、壁面のコンセントやスイッチを設置できるスペースが少なくなります。
特に、既存の壁面にコンセントやスイッチがある場合は、取り付け位置を変更する必要が生じる場合もあります。
間取りや内装を大きく変更する場合は、事前に十分な確認が必要です。

引き戸と開き戸の選び方

開き戸がおすすめの場所

1.スペースに余裕がある場合

ドア1枚分のスペースがあれば設置できる開き戸は、限られたスペースでも設置しやすいというメリットがあります。
しかし、ドアを開閉するスペースが必要となるため、前後に余裕がある場所がおすすめです。

2.洗練された空間演出

ドア1枚が壁面を彩る開き戸は、洋風やモダンな雰囲気を演出するのに最適です。
ヴィンテージやインダストリアルなインテリアに特にマッチし、洗練された空間を創り出すことができます。

3.静寂を求める空間

引き戸に比べて気密性が高い開き戸は、音漏れを抑えやすいという特徴があります。
書斎や寝室など、集中力を高めたい静かな空間や、音漏れが気になる場所におすすめです。

引き戸がおすすめの場所

1.荷物の搬入・動線がスムーズなキッチン

食材や調理器具など、荷物が多いキッチンは、引き戸がおすすめです。
ドアを開閉する必要がなく、横方向にスライドさせるだけで簡単に開閉できるので、両手が塞がっている状態でもスムーズに行動できます。
特に、パントリーや冷蔵庫近くに引き戸を設置すれば、動線をさらに効率化することができます。

2.限られた空間を有効活用する洗面所

洗面所は、限られたスペースの中で洗濯機や洗面台、収納棚などを設置する必要があります。
引き戸はドアを開閉するスペースが必要ないため、狭い洗面所でも空間を有効活用できます。

3.親子のコミュニケーションを育むキッズルーム

リビングの隣にキッズルームを設ける場合、間仕切りにガラスタイプの引き戸を用いるのがおすすめです。
引き戸は部屋を仕切りながらも、視線を遮らないため、親子のコミュニケーションを妨げません。
子供の様子を見ながら家事をすることができ、安心感を得ることができます。
さらに、子供が成長して独立した後は、リビングを広げることも可能です。

4.開閉音が気になる場所

引き戸は、開き戸に比べて開閉音が静かです。
寝室や書斎など、静寂を求める場所におすすめです。
特に、小さなお子様がいるご家庭では、夜間の開閉音で子供が起きてしまうことを防ぐことができます。

まとめ

引き戸と開き戸は、それぞれ異なるメリットとデメリットを持つドアです。
間取り、家族構成、防音性、換気など、様々な要素を総合的に判断し、あなたにとって最適なドアを選びましょう。

引き戸は、省スペース、風通し、開閉のしやすさなど、様々なメリットがあります。
しかし、気密性や遮音性が低く、費用が高いというデメリットもあります。

開き戸は、防音性や遮音性が高く、費用が比較的安価というメリットがあります。

どちらのドアを選ぶかは、設置場所や目的に合わせて判断することが重要です。
今回ご紹介した内容を参考に、あなたにとって最適なドアを選んでください。
迷ったら、専門家や設計士に相談することをおすすめします。

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