あなたは、いつ家を建てたいと考えていますか?

結婚、出産、子どもの進学、昇進・昇格、親の介護など、人生には様々なライフイベントがあり、住環境を見直すタイミングが訪れます。

家を建てることは、人生の中でも大きな決断の一つです。
タイミングを間違えると、後悔や経済的な負担を抱えてしまう可能性もあります。

では、家を建てる最適なタイミングはいつなのでしょうか?

この記事では、家を建てるタイミングについて、平均データとライフイベントの両面から詳しく考察していきます。
家を建てる時期は、人それぞれ異なります。
あなたにとって最適なタイミングを見つけるためのヒントが、きっと見つかるはずです。

家を建てるタイミング:平均データから考えるベストタイミング

ここでは、国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」に基づいて、平均年齢、平均所得、平均居住人数という3つの側面から、家を建てるタイミングについて考えていきましょう。

1. 平均年齢:30代が主流

  • 注文住宅:39.5歳
  • 分譲戸建住宅:37.5歳

初めてマイホームを購入する方(一次取得者)の場合、注文住宅と分譲戸建住宅で平均年齢に差が見られます。
いずれも30代が中心となっており、結婚や出産、子供の成長など、ライフイベントを機にマイホームを検討する人が多いようです。

一方、建て替えなどの二次取得の場合は、40代後半から50代後半が多い傾向があります。

2. 平均所得:400万円~800万円がボリュームゾーン

  • 注文住宅(全国平均):731万円
  • 注文住宅(三大都市圏):784万円
  • 分譲戸建住宅:722万円

注文住宅を購入する場合、400万円~600万円の世帯が全体の26.3%、400万円未満の世帯が9%と、3割程度を占めています。
ボリュームゾーンは年収400万円~800万円であり、平均所得よりも低い世帯でもマイホーム購入は十分検討可能です。

3. 平均居住人数:3~4人世帯が中心

  • 注文住宅:3.2人
  • 分譲戸建住宅:3.5人

注文住宅と分譲戸建住宅いずれも、3~4人世帯が最も多く見られます。
一般的には、親と子供1~2人の世帯がマイホーム購入を検討するようです。

上記はあくまで平均値であり、最適なタイミングは個々の状況によって異なります。
しかし、これらのデータは、家を建てるタイミングを考える際の参考情報として役立つでしょう。

家を建てるタイミング:ライフイベントから考えるベストタイミング

家を建てるタイミングは、人生の節目となるライフイベントをきっかけに考えるのも良い方法です。

1. 結婚:人生のパートナーと夢のマイホームを

a. 理想の住まいを二人で

人生のパートナーと、二人で過ごす長い時間を思い描きながら、理想のマイホームを語り合い、具現化していくのは、かけがえのない喜びとなるでしょう。
結婚当初は、家事や仕事に追われたり、早い段階で妊娠・出産を迎えたと感じることもあるかもしれません。
しかし、結婚前から理想の住まいについて話し合い、結婚を機に家づくりを始めることで、間取りや内装など、より具体的なイメージを共有し、納得のいく住まいを築くことができます。

b. 将来を見据えた間取り

結婚後、数年経って「子ども部屋が足りない」と感じたり、「テレワークが普及し、仕事部屋が必要になった」という状況も考えられます。
そのため、間取りを決める際には、将来の家族構成やライフスタイルの変化も視野に入れ、柔軟に対応できるような設計が重要です。

c. 早めの住宅ローン返済

家を建てるタイミングを早めれば、住宅ローンを完済するまでの期間も短くなります。
例えば、30歳で家を建てた場合、65歳で完済できますが、40歳で家を建てた場合、完済は75歳となります。
早い段階で住宅ローンを完済することで、老後の生活設計にもゆとりが生まれてくるでしょう。

2. 出産:新しい命と共に、理想の住環境を

新しい命の誕生は、家族にとってかけがえのない喜びであり、住環境を大きく見直すタイミングでもあります。
出産後に家を建てれば、これからの子どもの成長に最適な場所を選んで、理想の住まいを築き上げることができます。

a. 子どもの成長に寄り添った立地

保育園や幼稚園、学校など、これからの子どもの生活の中心となる施設に近い場所を選ぶことで、通学の負担を軽減し、安全で安心できる環境を整えることができます。
さらに、公園や病院、スーパーなどの生活に必要な施設が充実している立地を選ぶことで、日々の生活をより便利に快適に過ごせるでしょう。

b. 子育てしやすい家づくり

上り下りしやすい階段や足音が響きにくい床材など、子どもの安全と快適性を考えた設計を取り入れることで、子育ての負担を軽減することができます。
また、収納スペースを充実させて家事の効率を上げたり、子どもの成長に合わせて間取りを変更できるような設計にするのもおすすめです。

c. 負担を軽減するタイミング

妊娠中や出産直後は、女性にとって身体的にも精神的にも負担が大きい時期です。
生まれたばかりの子どもの世話も大変なため、新居への引越し作業はできるだけ避けたいところです。夫や家族の協力が得られる場合は、出産後数カ月経ってから引っ越しをするなど、タイミングを工夫しましょう。

3. 子ども進学:新たな門出に最適な住環境を

子どもの進学は、家族にとって大きな節目の1つであり、住環境を見直す絶好の機会です。
特に多いのが、小学校入学を機に家を建てるケースです。

a. 通学負担軽減と安心安全な環境

小学校近くに家を建てることで、子どもの通学負担を軽減し、安全で安心な環境を整えることができます。
また、小学校は子どもにとって初めての学校生活の場であり、友達との交流や学習を通して大きく成長する時期です。
通学時間を短縮することで、学習や遊びに充てる時間を増やし、充実した学校生活を送ることができます。

b. 子どもが喜ぶ、自分だけの空間

小学校入学頃になると、子どもは自分の部屋を欲しがるようになります。
家づくりを機に、子どもの要望を取り入れて、勉強机や本棚、おもちゃ置き場などを設置した、自分だけの空間をプレゼントしてあげましょう。
個室を与えることで、集中力や創造性を高め、自立心を養う効果も期待できます。

c. 事前に校区や引っ越し時期を検討

子どもの通う学校の校区に希望の土地があるかどうかは、早めに調べることが重要です。
希望の土地が見つからない場合は、学区外に家を建てることになり、子どもが転校する可能性もあります。
そのため、小学校入学前に引っ越しが完了するように、余裕を持ったスケジュールで家づくりを進めましょう。

4. 昇進・昇格:マイホームへの自信と安定した返済計画

昇進・昇格によって収入が向上すると、住宅ローンの審査に通りやすくなり、家を建てるのに適したタイミングだと考えられます。

a. 収入増加による返済負担軽減

昇進・昇格に伴う収入増加は、毎月の返済負担を軽減し、家計の安定につながります。
余裕のある返済計画を立てることで、将来的な金銭的な不安を軽減し、安心してマイホーム生活を楽しむことができます。

b. 将来の収入見通しを踏まえた計画

高額なローンを組む前に、会社の業績や経済状況などを考慮し、将来の収入見通しを慎重に検討することが重要です。
将来的に収入が減少する可能性がある場合は、無理のない返済計画を立てる必要があり、必要に応じて頭金を増やすなどの対策も検討しましょう。

c. 昇進・昇格を家づくりへのステップに

昇進・昇格は、家づくりを検討する上で大きな励みとなります。
収入増加による経済的な安定を基盤に、将来の見通しと返済計画をしっかりと立て、納得のいくマイホームを手に入れましょう。

5. 子どもの独立:新たな門出と第二の人生に寄り添う住まい

子どもたちが独立し、巣立った後は、住環境を見直す絶好のタイミングとなります。
これまでの子育てに適した広い家から、夫婦二人だけの快適な住空間に住み替えることを検討する方も増えています。

a. 夫婦二人だけの理想の住空間

子ども部屋が空いたことで、夫婦二人だけの理想の住空間を実現することができます。
広々としたリビングや、趣味の部屋、書斎など、これまで実現できなかった空間を設けることも可能です。
また、バリアフリー設計を取り入れることで、老後の生活を安心・安全に過ごせる住まいづくりもできます。

b. 老後の生活を見据えた住環境

子どもたちが独立した後は、夫婦二人の老後の生活をどのように過ごしたいかを考える時期でもあります。
バリアフリー設計はもちろんのこと、段差のないフラットな床、滑りにくい床材、手すりなど、安全面に配慮した設計にすることが大切です。
また、病院や介護施設などの公共施設へのアクセスも考慮した立地を選ぶことも重要です。

c. 資金計画と慎重な判断

家づくりには多額の費用がかかります。
老後資金や受給年金とのバランスを考えないと、資金繰りに苦労する可能性があります。
十分な資金計画を立て、無理のない範囲で家づくりを進めることが大切です。
また、住宅ローンの利用を検討する場合は、金利や返済条件などをしっかりと比較検討しましょう。

6. 今住む家が快適じゃないと感じたら:新たな住環境で心機一転

賃貸物件での騒音やご近所トラブル、転職による職場への距離増加など、現在の住環境が快適でないと感じるようになったとき、家を建てることを検討するのも良いタイミングです。
不満やストレスを抱えながら暮らし続けるよりも、思い切って新しい家を建て、心機一転することで、より快適で充実した生活を送ることができます。

a. ストレスフリーな住環境へのアップグレード

賃貸物件では、周囲の環境や設備に制限がある場合があります。
しかし、家を建てることで、理想の住環境を自由に設計することができます。
騒音やトラブルを気にせず、自分たちのライフスタイルに合った間取りや設備を整えることで、より快適な空間を実現できます。

b. 将来を見据えた資産形成

賃貸料を支払い続けることは、家賃という形で家賃を大家さんに支払っていることになります。
一方、家を建てることで、住まいは自分の資産となります。
ローン返済が終われば、家賃を払う必要がなくなり、老後の生活にも安心感が生まれます。

c. 余裕を持った資金計画と長期的な視点

家を建てるには、住宅ローン以外にも、固定資産税や修繕費など様々な費用が発生します。
賃貸物件から戸建てに移行する場合は、これらの費用についても事前にしっかりと把握し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

7. 返済計画の確立:安心と希望を築くマイホームへの道

住宅ローンを組んで家を建てる場合、返済計画は非常に重要です。
返済計画とは、ローン完済までの具体的な計画であり、将来のライフプランや支出もしっかりと考慮する必要があります。
住宅ローンの一般的な返済期間は30~35年となるため、この期間内に余裕を持って完済できる見込みが立ったタイミングは、家を建てる好機と言えるでしょう。

a. 無理のない計画で将来への安心

しっかりと立てられた返済計画は、身の丈に合わないローンを組んでしまうことを防ぎ、将来的な経済的な不安を軽減します。
毎月の返済額を無理なく支払える範囲で計画を立てることで、マイホーム生活を安心して楽しむことができます。

b. 将来変化への柔軟な対応

年収は将来的な状況によって増減する可能性があるため、現在の年収の上限ギリギリで返済計画を立てることは避けましょう。
将来的な収入減少や支出増加などのリスクも考慮し、余裕を持った計画を立てることが重要です。

3. 返済計画の見直しと定期的な確認

返済計画は、ライフプランや経済状況の変化に合わせて定期的に見直すことが大切です。
収入増加や支出減少などがあれば、計画を修正することで、より安定した返済を実現することができます。

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家を建てることは、人生の中でも大きな決断の一つです。
タイミングを間違えると、後悔や経済的な負担を抱えてしまう可能性もあります。

この記事では、家を建てるタイミングについて、平均データとライフイベントの両面から考察してきました。

平均データでは、30代後半から40代前半が家を建てることが多いことがわかりました。
これは、住宅ローン返済期間と収入、子育てなどのライフプランを考慮した結果と考えられます。

ライフイベントの観点では、結婚、出産、子どもの進学、昇進・昇格、親の介護などが家を建てるきっかけとなることが挙げられます。
これらのイベントは、家族構成やライフスタイルの変化を伴い、住環境を見直すタイミングとなるからです。

家を建てるタイミングは、人によって様々です。正解も不正解もありません。
大切なのは、ご自身のライフプランや経済状況、家族構成などをしっかりと考え、最適なタイミングを見極めることです。

情報収集や専門家への相談も積極的に行い、後悔のないマイホームを実現しましょう。

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